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借金は身を滅ぼす 完済篇

有名なコピペですが他人事では無いので(笑)紹介しておきます。

順番にどうぞ。



借金は身を滅ぼす
借金は身を滅ぼす②
借金は身を滅ぼす③
借金は身を滅ぼす④
借金は身を滅ぼす⑤
借金は身を滅ぼす⑥
借金は身を滅ぼす⑦
借金は身を滅ぼす⑧
借金は身を滅ぼす⑨
借金は身を滅ぼす⑩
借金は身を滅ぼす 完済篇



前の会社を解雇になってから3年と半年が経過していた・・・。

<2005年12月20日(火)>

8時30分、3つの目覚まし時計が同時に鳴る。
いつもと変わらない朝。

ボーとした頭で洗面所に行き歯を磨く。
特にいつもと変わらない。
違う点といえば、今日が「ボーナス支給日」ということだけ。

計算では「前倒しで完済できうるだけのお金が貯まる」日である。

正直ドキドキすることはない。
自分でも驚くくらい普通だ。
借金を400万円抱えていた時は「完済したらまじで嬉しいだろうな~。道頓堀に
飛び込んでも違和感ないんじゃない?」と思っていた。

が、現実は約10年間の返済で心も体も疲弊している。
初めての借入れが「1996年9月」の武富士からの借金。
わずか20万円の借り入れが私の人生の歯車を完全に狂わせ、思い描いていた将来
は木っ端微塵に砕かれ、現在は借金の秘密を抱えたまま生きているサラリーマン。

「いつ借金がばれるか、怖い・・・」

完済してしまえば「笑い話」の一つとして済ますことができる自信はある。
ただ、現在進行形の借金男ではどうしようもない。
「大事な仕事も任せられない」と言われれば引き下がるしかない・・・。

重度の「ネガティブな男」になっている。

こんな状況も今日で終わりだ。

借金を完済してしまえば明日からは輝かしい未来が待っている!

会社に着く前に銀行に寄ってボーナスが振り込まれているかを確認してみる。
通帳をATMにいれると、明らかに印字をしている動きがあった。

「振り込まれてるな」

1行の印字のため、すぐに通帳が出てきた。

「よし!」

ボーナスが振り込まれて、通帳に記されている残高は

【差引残高:1,134,621円】

「あぁ・・・・」

なんとも言えない感覚。
感動でもなければ安堵でもない。

「これで完済できる」という事実が、自分を今まで感じたことのない感情で包
んでいる。

この時点でも「嬉しい」という思いは無い。

その後、一度出社してカバンを置いてから携帯を持って外に出る。
前に勤めていた会社(お金を借りている)に完済報告をするためだ。
前の会社に電話をするのはかなり緊張する。

女性:「はい、○○(社名)でございます」
私 :「す、すいません、松下というものですけど、斉藤課長はいらっしゃい
    ますでしょうか?」
女性:「少々お待ちください」

課長:「はい、斉藤です」
私 :「あっ、課長。お、お世話になります。松下です」
課長:「お~、松下か。どうした、元気にやってるか?」
私 :「は、はい。元気にやってます」
課長:「就職したんだってな」
私 :「はい。現在は真面目にがんばっています」
課長:「それがなによりだ。で、どうした?」
私 :「あ、あのですね、会社から借りていたお金を前倒しで完済したいと思
    いまして」
課長:「ほ~。お金はどうしたんだ?また借金じゃないだろうな?」
私 :「いえ、いえ。それだと全然意味がないんで。きちんと貯めたお金なの
    で大丈夫です」
課長:「そうか~。じゃあ、金額とか振込み先とか、色々こっちで確認したら
    また連絡するわ」
私 :「すいません。では、連絡は私の携帯に」
課長:「よし。ちょっと待てよ。メモ、メモ・・・。いいぞ」
私 :「はい。090-・・・」
課長:「分かったら、また電話するわ」
私 :「お願いします」

ふ~、終わった。

時間にしてわずか1分くらいのやりとりだったが、めちゃくちゃ疲れた。

その後、夕方になって振込先と金額の連絡が課長からあった。
金額は事前に計算していたものとピッタリだったので、ひとまず安心する。

振込み時間は過ぎていたが、急いで銀行のATMから100万を超える金額を振り込んだ。
手続きは明日なので、正式に完済が完了するのは明日(12月21日)。

「終わった・・・」

とにかく終わったのだ。
が、正直、ちっともうれしくない。

なんでだろう・・・。


<2005年12月21日(水)>

今日も普通に仕事をする。
ここ数日忘年会が続いてるので、完全な二日酔い状態。
酒にはそんなに弱い方ではないが、連日連夜の酒が内臓を驚かしているのか、
昼も食欲が全く無い。

午前中に携帯へ課長から留守電が入っていた。
内容は「振込みを確認できたこと」と「完済証明をどうするか?」の2点。
完済証明なんていらないので、借金する際に書いた契約書の原本を送ってもらう
ようにお願いしようと思う。

これで完全に【完済】ということになる。

「完済したぞ!!!!!」

と叫んでみる気力も今の私にはありません。

【完済=終了】

と思っていた構図は完全に崩れ、完済した今日も仕事で、夜にはお客との忘年会が
待っています。
すでに忘年会で何度かやった「レイザ-ラモンHG」のモノマネも、かなり自分の
ものにし始めている。(5分ならなんとかイケる!)

ここ数年の自分は「完済」を人生の目標にしていたし、毎月借金が減るたびに自分
を勇気づけていた。

自分でもここまでよくがんばったと思う。
でも、よくよく考えると全然人に自慢できることではない。

「借りたお金を返した」

たったこれだけのこと。
社会生活を営む上で至極当然のことで、「よくやった」と褒められることでもない。

やっと10年遅れでみんなと同じスタートラインに立った、だけなのだ。

唯一よかったことは、これで自分が事故かなにかで急に死んだとき、親に対して返済
の催促がいかないことがかなり嬉しい。


<2005年12月22日(木)>

今日は数十年振りの大雪のため、予定していた忘年会が延期になった。
とりあえず、帰るために駅へと向かう。

ただ「きっかけ」が欲しかったのかもしれない。
数年ぶりに親(勘当されている)に電話をかけてみた。

母親:「はい、松下です」
私 :「おれ」
母親:「一樹?」
私 :「うん。そっち、雪大丈夫?」
母親:「あんた、きちんとやってるの?」
私 :「うん、大丈夫。で、借金の件なんだけどさ、昨日全部返した」
母親:「お金のことはいいけど、きちんと食べてるの?」
私 :「大丈夫だって」
母親:「なら、いいけど・・・。体は気をつけるんだよ」
私 :「うん、分かった・・・」

その後、母親は食べ物を送りたいから今の住所を教えてくれと言った。
お米も送ると言ったが、それは重いだけだからこっちで買うと断った。

母親はおれが借金を完済したことよりも体のことが一番心配だったようだ。

本当に親不孝でごめんなさい。


<2005年12月24日(土)>

「クリスマス・イブまでに完済するぞ!」と誓ったのは数ヶ月前。
無事に達成できたので、これも予定通りに「クリスマスケーキ」を買って1人で祝うが、
半分以上残してしまう。
甘いものがあんまり食べられなくなったことを実感した。

「もうすぐ30歳だもんな・・・」

明日は会社の同僚の結婚式がある。
週が明けると延期になった忘年会と自分の会社の忘年会もある。

2005年、完済。

2006年は?

自分の人生はこれから先も続いていく。

「借金」という大きなハンデはあったが、今は前に進むしかない。

やっと手に入れた本当の「普通の生活」。


それにしても10年という月日は長過ぎた・・・。



【完】



いかがでしたか?

「ギャンブル依存症」や「自転車操業」、人がおちいりやすい罠です。

お金を借りることを否定はしませんが、目的をしっかりと持って
自己管理の元に行動しましょう(←自分への戒め)
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借金は身を滅ぼす⑩

有名なコピペですが他人事では無いので(笑)紹介しておきます。

順番にどうぞ。



借金は身を滅ぼす
借金は身を滅ぼす②
借金は身を滅ぼす③
借金は身を滅ぼす④
借金は身を滅ぼす⑤
借金は身を滅ぼす⑥
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借金は身を滅ぼす⑨
借金は身を滅ぼす⑩
借金は身を滅ぼす 完済篇



課長:「おい、松下!ちょっと会議室まで来い!」
私 :「はい!」

会議室に入っていくと、中には社長がいた。

課長:「松下、とりあえずイスに座れ!」
私 :「はい・・・(足がガクガク震える)」
社長:「松下、どうしたんだ?お前が借金するとは思えんぞ?」
私 :「すいません・・・(涙声)」
課長:「とにかく、なんで借金したかを言ってみろ」
私 :「はい・・・」

それから30分近く、大学時代からどのように借金をしたかを話した。
ただ、自分でも驚くほどアレンジをしていた。

私 :「最初に借金をするきっかけは、友人にいきなり誘われたスキーツアーで、
    自分も見栄があったので、お金がないのに申し込んでしまって・・・」
社長:「それで借金をしたのか?」
私 :「はい・・・」

本当は、パチンコ・パチスロで負けて家賃が払えなくなったから。
こんなに窮地に追い込まれているのに、見事な嘘をつくもんだ、と自分でも後で
驚いた。

私 :「実家からの仕送りも少なくて、特に大学のテスト時期になるとバイトも
    できなくなって・・・、それで金を借りました」
社長:「生活費か?」
私 :「はい・・・」

これも嘘。
実家からの仕送りは十分ではなかったにしても、奨学金で毎月5万円もらってい
たし、バイトも10万円近くは稼いでいた。
仕送りと合わせれば25万円。
いったいなにが少ないのか・・・。

社長:「じゃあ、大学時代に作った借金の返済のために『雪だるま式』に増えたっ
    てことか?」
私 :「はい・・・、すいません」
課長:「(無言)・・・」
社長:「とりあえず、いったいどこからいくら借りているか調べてきなさい。
    きちんと正確にな!もう隠してもしょうがないだろ」
私 :「はい・・・」
社長:「じゃあ、今日はもう帰りなさい」
課長:「急ぎの仕事はないんだろ?」
私 :「はい、大丈夫です・・・」
社長:「きちんと正確に調べてきなさい!」
私 :「はい!」

会議室を出て、すぐにトイレにかけこむ。

緊張のためか、汗がしたたり落ちてくる。
が、思わず顔がにやけてきた。

「もしかして、会社で貸してくれるの?
 貸す気がなければ、金額は聞かないよね?」

マジで?
マジで?
やったぁ~~!!!

助かったかもしれない!
助かったかもしれない!!!

時間はまだ午後の3時くらいだったが、【早退】とホワイドボードに書いて会社
を出た。

とても気が楽だった。
いつもと帰る道は同じだが、周りの景色が違って見える。


家に着き、すぐに借金の総額を調べる。
418万円もある・・・。
これを正直に話すのは気が引ける。
なんとか、300万円台にしたい。

「よく調べたら、400万円もなかったです!」と言いたい。

信販系の「UCカード」の借り入れ(30万円)を除くと、「388万円」。

「よし、これでいこう!」

【次の日】

私 :「調べてみたら、388万円でした」
課長:「あほか、400万円も388万円も同じじゃないか!それよりも、この
    件数はいったいなんだ?10件って。よくこんなに貸してくれたな」
私 :「すいません・・・」
課長:「とにかく、これで社長にお願いしてくるからここで待ってろ」
私 :「はい・・・」

【1時間後】

課長:「今、社長と話しをしてきて、今回は特別に会社からお金を貸してやるから、
    それで借金を全部返して来い」
私 :「すいません・・・」
課長:「会社がお金を貸すってことは普通はありえないからな。しかも、借金の理由
    がギャンブルだろ。絶対ありえないから、社長にお礼を言っておくんだな」
私 :「はい・・・、すいません・・・」
課長:「あと、今回は金額が金額だから、親には連絡するぞ」
私 :「連絡するんですか?」
課長:「お前、今の状況がわかってるのか!!何を今さらガキみたいなここと言っと
    るんや!こっちは別にお前に辞めてもらっていいんだぞ!」
私 :「すいません・・・。分かりました」
課長:「で、どうする。松下から電話するか?」
私 :「・・・。はい、最初は自分から電話します。
    両親とも働いているんで、夕方、電話します・・・」
課長:「よし!」

【夕方】

私 :「もしもし、おれ(声が震えている)」
母親:「一樹、どうしたの?」
私 :「お父さん、いる?」
母親:「まだ仕事から帰ってないけど・・・、なにかあったのかい?」
私 :「いや・・・。父さん、携帯持ってたよね?番号教えてもらえる?」
母親:「う、うん。090-・・・。本当に何かあったのかい?」
私 :「あとでかけなおす・・・」

そして、父親の携帯に電話をする。

私 :「もしもし」
父親:「もしもし」
私 :「一樹だけど・・・」
父親:「どうした、いきなり」
私 :「うん・・・」
父親:「なに、どうした?」
私 :「あの・・・、おれ、借金があるんだ」



<2002年4月現在>
 ・借入先:11件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ、レイク、三和ファイナンス)
 ・借入金:418万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:294,000円




私 :「あの・・・、おれ、借金があるんだ」
父親:「借金?お前、何を言ってるんだ!」
私 :「だから・・・、借金があるんだ」
父親:「いくら?」
私 :「400万円・・・」
父親:「お前、自分で何を言ってるか分かってるのか?」
私 :「分かってる。それで、会社の上司に相談して・・・」
父親:「会社に言ったのか?」
私 :「うん」
父親:「あほか!!!お前、この不況に借金があるなんて言ったら、クビになっても
    しょうがないだろ。なんで、お父さんに最初に言わないんだ?」
私 :「いや・・・、言いづらくて・・・」
父親:「ばかもの・・・・・・・。それで、会社に言ってなんだって?」
私 :「お金を貸してくれるから、それで借金を返せって」
父親:「貸してくれるって?400万円もか?」
私 :「うん・・・」
父親:「・・・」
私 :「あとで会社の上司が電話するって。金額も金額だから、親の印鑑も必要だから」
父親:「・・・」
私 :「また電話する・・・」

その後、課長が実家に電話をした。

私も家に帰ってから、改めて実家に電話をした。
母親は泣いていた。
父親も泣いていた。

次の日、会社に行くと契約書が用意されていた。

【松下一樹に『400万円』を貸す。金利は年0.5%。毎月給料から5万円を天引き。
 返済終了日は2009年1月とする】

【ただし、本契約以降、再度借金をした場合、契約を破棄して全額一括で返済すること】

もちろん私はなにも言わずに印鑑を押して署名した。
契約を急がせるために、実家には速達で送った。

【2日後】

実家から父親の捺印と署名がされた契約書が会社に届いた瞬間、私の口座に会社から
『400万円』が振り込まれた。

それからはまさに電光石火。
財布に『400万円』を入れて、一つ一つ解約していく。
本当は自分で稼いだお金で完済したかったが、とにかく、これからは消費者金融と付き合
わないで済むと思うと本当に嬉しい!

消費者金融の店員からは、「なにか弊社にご不満でもありましたでしょうか?」と毎回
聞かれた。
「武富士」からは、「こんな大金どうされました?大丈夫ですか?」と、変な想像をさせ
てしまったようだ。(おそらく、私がどこかに騙されていると思ったのか?)

全てを完済し終わったとき、『400万円』もきれいになくなった。

会社に行き、社長にお礼を言う。

私 :「ありがとうございました。これからは仕事を一生懸命やっていきます」
社長:「がんばれよ」

家に帰る途中、お米を5キロ買った。

「これからは節約をして、少しでも早く会社への借金を返さないと!!」

何年か振りの「前向き」な考えだった。

家に帰った瞬間、嬉しさが込み上げてくる。

「助かった~!!
 明日から生きていける。借金に怯えないで生活できる!!!
 こんなに嬉しいことはない。
 もう2度とこんな恐ろしい思いは嫌だ!!」

「パチンコはもうしない。パチスロも絶対しない!!」


会社で私の借金を知っているのは課長と社長だけだったので、何事もなかったように
のびのびと仕事ができる。
毎日が快適。
入社して以来、はじめて「普通の社会人」になったような気がした。
土曜日・日曜日も最初はすることがなかったが、ビデオを借りたりして時間をつぶす。
あまりお金はつかえない。

でも、人間らしい日々を過ごせていた。


が、私の体の中に巣食った【ギャンブル中毒】は、1ヶ月後再び目を覚ます・・・。



<2002年5月現在>
 ・借入先:1件 (会社から)
 ・借入金:400万円
 ・毎月の支払い:50,000円(給料から毎月天引き)



<2002年5月>

平穏な毎日。
朝起きて仕事に行き、帰りが早ければ同僚と酒を飲む。
ちょっと早く帰ってくれば、途中で本屋に寄って立ち読みをする。
土曜日は洗濯をしながら部屋を片付け、少しジョギングをしたりして体を動かす。

「これが普通の生活なんだ・・・」

本当にしみじみ感じる。
平穏な日々・・・。

土曜日、ジョギングから戻ってくると、郵便受けに1枚の封筒が入っていた。
中を開けると、

『UCカード 4月分のお支払い合計:71,243円。支払い期日:5月10日』

ああああ!
そうだ!会社から金を借りるときに「UCカード」のことは隠してたんだ!

やばい、どうしよう?
今、手元には1万円しかないし・・・。
もう売るものもない・・・、借金?いや、それだけはやめよう・・・。

でも、どうすればいいんだ?
この後に及んで、課長に「よく考えたらUCカードもありました」って言えるか?
死んでも言えない・・・。

でも、本当にお金がない。
これは事実。
あと1週間もすれば支払日になり、その3日後には会社に督促の電話がかかってく
るだろう・・・。

最悪・・・。
それだけは避けたい!

ふと、危険な考えが頭をよぎる。

「7万円か・・・。パチスロで勝てば簡単じゃない?」

あああ・・・。
でも、これしかないよな。
うん、これしかない。
これしかない。
千円で勝つかもしれないし・・・。
(自分に対しての言い訳)

でも、足はパチンコ屋へと向かっていた・・・。

【1時間後】

全財産の1万円はあっさり飲まれた。

その時、1ヶ月間隠れていた悪魔の心がささやく。

「今だと、どこの消費者金融の審査を受けても通るんじゃない?
 だって、先月『400万円』を完済した男だよ!
 1万円だけ借りてもうひと勝負!
 だって、このままだと明日からの食費もないじゃん」

そうだ、食費もない。
1万円だけ借りよう。
食費の1万円だけ・・・。

【1時間後】

1度捨てたはずの「アコム」のカードが再び手元に戻ってきた。
1度完済しているので、申込はすんなり通る。
(「他からの借入件数」には自信を持って「0件」と記入)

しかも、「借入限度額」が希望の10万円を大きく上回る【50万円】に設定された。
昔なら嬉しかったが、今では「毒」でしかない。

予定通りに「1万円」を引き出して、さっきまでいたパチンコ屋へと消えていく・・。

【30分後】

さらに【3万円】を借りる。

【2時間後】

さらに【5万円】を借りる。

結局、その日だけで【9万円】をアコムから借りた。

「明日の日曜日・・・、もう1回勝負・・・。
 アコムを完済しないと大変なことになる・・・」

先月、会社で書いた契約書を思い出す。

【松下一樹に『400万円』を貸す。金利は年0.5%。毎月給料から5万円を天引き。
 返済終了日は2009年1月とする】
【ただし、本契約以降、再度借金をした場合、契約を破棄して全額一括で返済すること】

借金がばれたら【全額一括返済】。

やばい、やばい、やばい・・・。
やばい・・・。

【次の日の日曜日】

朝からアコムに行って金を借り、パチンコ屋へ。
時間が経つにつれ、体の調子がおかしくなってくる。

「もうどれくらい借りたんだっけ?最初が1万円で、次に3万円・・・。
 25万円?
 まじで?
 もう1回計算・・・」

ああああ。
やっぱり【25万円】も借りてる。
もうどうしようもできない金額。

どこで狂ったんだ。
昨日の朝までは快適だったじゃないか!
普通の生活をしてたじゃないか!!

あああ。
ああああ。
なんで?
なんでなの?
なんでパチスロをするの?
これが夢だったら・・・。
目がさめたら、土曜日に戻ってほしい・・・。

【月曜日】

朝起きるが気が重い。
でも、会社には行かないと・・・。
先週までの平穏な生活が嘘のようだ。

会社に着く。

私 :「おはようございます・・・」
課長:「おい!!松下、ちょっと来い!!」
私 :「はい・・・(なんだろ?)」

会議室に連れていかれる。

課長:「お前、また借りただろ?」
私 :「(あああああああああああああああ)・・・」
課長:「お前な、会社をなめちゃいけないって。簡単に調べられるんだから」
私 :「(汗が吹き出てくる)・・・」
課長:「(メモを取りだし)土曜日、アコムからちょこちょこ金を借りてるだろ?
    1万円、3万円、5万円って、段々引き出す額が増えてるし」
私 :「(完全にバレてる)・・・」
課長:「なんか言えよ!!」
私 :「・・・、すいません」
課長:「しかも、日曜日もまた借りてるな!今度は5万、3万・・・。
    お前、いったい何がしたいんだ?」
私 :「すいません・・・」
課長:「すいませんじゃわかんないだろ!!」
私 :「・・・、すいません」
課長:「(冷めた感じで)は~、もうなにもかも遅いって」
私 :「すいません、すいません!もう絶対しませんから。すいません・・・」
課長:「社長はもうお前をあきらめた。無駄だってことだ」
私 :「すいません。すいません・・・。すいません・・・」
課長:「とにかく、今日はもう帰れ!」
私 :「すいません・・・」

【次の日】

会社の掲示板に張り紙が張られた。

【営業部・松下一樹は一身上の都合により、5月10日付けで退社することになり
 ました】

この日の午前中だけ会社に来ることを許され、会社の同僚に挨拶をするが、辞める
原因は誰も聞かない。
もう会社中が「クビ」の理由を知っているのだ。

社長の温情により、【400万円の一括返済】は見逃してもらえた。
ただし、毎月30日、会社に返済のお金(5万円)を持って行かなければならない。

当然のごとく会社から連絡がいって、実家からは勘当された。
もう2度と広島に戻ることはないだろう・・・。


現在、バイトを2つ掛け持ちしながら、生きている。
とにかく、会社への借金【400万円】を返さないことには先に進めない。

前に進む気もないが・・・。

あと【325万円】残っている。

これから先、どうやっていけばいいのか・・・。


                【完】


<人物紹介>

 名前 :松下一樹(仮名)
生年月日:1976年3月12日 27歳(現在) 
 地元 :広島
 略歴 :広島に生まれる。家族は父・母・姉。
     中学・高校と学業の成績は常に上位。
     部活はバスケット部に所属。
     大学は仙台の某国立大学に合格。
     1996年4月に仙台へと引っ越す。
     なんとか4年で大学を卒業し、就職する。
     2002年5月、【借金】が原因で会社をクビになる。
 現在 :アルバイトを2つこなしている。
 借金 :325万円(2003年8月時点)
     毎月、前の会社に「5万円」返済している。


【借金は身を滅ぼす】

これが6年間で学んだことです。

借金は身を滅ぼす⑨

有名なコピペですが他人事では無いので(笑)紹介しておきます。

順番にどうぞ。



借金は身を滅ぼす
借金は身を滅ぼす②
借金は身を滅ぼす③
借金は身を滅ぼす④
借金は身を滅ぼす⑤
借金は身を滅ぼす⑥
借金は身を滅ぼす⑦
借金は身を滅ぼす⑧
借金は身を滅ぼす⑨
借金は身を滅ぼす⑩
借金は身を滅ぼす 完済篇



<2002年2月現在>
 ・借入先:11件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ、レイク、三和ファイナンス)
 ・借入金:418万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:294,000円



<2002年3月>

2002年3月1日。

「もしかしたら、増額が可能になってないかな?」と淡い期待を持ちながら、
いつものように武富士のATMに行く。
カードを入れて暗証番号を押すと、予想外の文字がでてきた。

 【貸出可能残高=0円】

「あれっ、なんで?たしか1,000円はまだ借りれるはずなのに?」
すぐに【借入残高】を確認してみる。
たしかに【796,258円】で、まだ3,000円は借りられる。

「もしかして・・・。やばい、武富士も止められた・・・」

アイフル、モビット、オリックス、UCカード、DCカードに続いて6社目の
「貸出停止」。

「まさか、ほかの消費者金融も止められてる?」

すぐに同じビルの中にあるアコムにも行ってみる。

「最悪・・・。アコムもだめだ・・・」

アコムも貸出が止められていた。
急に胃が痛くなる。

うっ、あ・・・・。
やばい、やばい、やばい、やばい。
どうしよう・・・。

あと残るはプリーバ、キャスコ、レイク、三和キャッシングの4社。
(「三和キャッシング」は先月限度額いっぱい借りているので、借りることは
 できない)

とりあえず全ての支店に行って、ATMで確認してみた。

全ての消費者金融の貸出が停止していた。

「終わった・・・」

汗が体中から噴出してくる。
でも、この瞬間「これで借金ができなくなるんだ。よかった・・・」とも思った。
もう自分では止められない。
誰かに止めて欲しかった。
きっかけが欲しかった。

「これでなにもかも終わりだ・・・」

頭が錯乱しているのか、今日が何曜日かも思い出すことができないくらい動揺し、
食欲も全く沸いてこない。
家に帰って風呂に入ってはじめて、自分が置かれている立場が「人間として最悪
の状態」であることに気がついた。

「まさか自分が借金で悩むなんて・・・。親が知ったら泣くな・・・」

湯船につかっていても、髪を洗う気力さえない。
不安でどうしようもない。
明日からどうしよう?
今月の返済はどうすればいいんだっけ?
いくら足りないんだ?

「とりあえず、借金の総額をまとめてみないと・・・」

風呂から出て体もきちんと拭かずに、パソコンのエクセルで表を作り始めた。
表の題は【借金返済計画】とした。

ひとつひとつ現在の借り入れ金額と毎月の返済額をエクセルにいれていく。

「・・・(絶句)」

ここではじめて借金が400万円を超えていたことに気がつく。
恐ろしさで指先が震え始める。
ふと中学時代・高校時代の自分を思い出す。

「どこで間違ったんだ?おれはもっと優等生じゃなかったのか?」

毎月の返済金額が「30万円」近いってことは、給料だけでは返せない。
今月の返済も全然足りない。
家賃も払わないと。

あああああああああああああああああ。
あああああああああああああああああ。
あああああああああああああああああ。

なにか方法はないんか?
まだ助かる手段は・・・。

インターネットで調べてみると「おまとめローン」という言葉を見つける。

『複数の借り入れをひとつにまとめてみませんか?』

これだ!!
内容をよく読んでいく。
が、『300万円以上は保証人が1人必要です』という言葉であきらめる。

「だれに保証人になってもらえばいいの?そんなの誰にも頼めないよ」

さらにインターネットで調べていくと「保証人紹介します」の文字。

いいじゃん、これ!!
しかし、最後に一言、『借金の保証人はお引き受けできせん』。

「そんなに甘くないか・・・」

とりあえず、今月の返済期日がくるまでに『最低10万円』は工面しないと
延滞になるし、その延滞分もいつ払えるか分からない。

「借金しかないか・・・。また新規でカードを作ろう・・・。
 でも、契約できるのかな?」

そして、給料日の3月25日。
給料を全て返済に回して、少しでも借り入れ残高を減らしてから新規のカード
を作りにいく。

1件目は「プロミス」。
2件目は「アエル」。
3件目は「ニコニコクレジット」。

全て契約を断られた。
しかも最後の「ニコニコクレジット」に関しては、審査の時間が10分もかか
らずに「今回はお見送りします」とのこと。

おそらく、おれのデータは最悪なんだろう。
もはや、「会社に何年勤務している」とか、「今のアパートに何年住んでいる」
とか、そんな次元の問題ではなくなっている。

 『松下一樹にはもう1円もお金は貸せない』ということだろう。

「どうしよう・・・。10万円なんとかしないと・・・」

翌日、会社に行く途中、電信柱にチラシが貼ってあった。

『ブラックの方歓迎!!30万円まで即融資!! 電話番号:090-・・・』

すぐ携帯から電話してみる。

「もしもし、チラシを見たんですけど・・・」


☆最終回まであと『2回』。


<2002年3月現在>
 ・借入先:11件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ、レイク、三和ファイナンス)
 ・借入金:418万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:294,000円



<2002年4月>

『ブラックの方歓迎!!30万円まで即融資!! 電話番号:090-・・・』

電信柱に貼ってあるチラシを見て、すぐに携帯から電話をしてみる。

私:「もしもし、チラシを見たんですけど・・・」
男:「(面倒くさそうに)初めて?」
私:「はい、はじめてです」
男:「今ね、ちょっと忙しいから、あとで、また電話してくれる?」
私:「分かりました。何分後くらいがよろしいですか?」
男:「じゃあ、1時間後」

【1時間後】

私:「さっき電話したものですが」
男:「えっ?あ~、さっきの人ね。なんの用でしたっけ?」
私:「チラシを見て電話したんですが、ちょっとお金を貸していただきたいと
   思いまして・・・」
男:「いくらぐらい?」
私:「20万円くらいです」
男:「あっ、そう。え~とね、他からいくら借りてます?」
私:「(ここは正直に言おう)全部で400万円くらいです」
男:「400万!いったい何件から借りてんの?」
私:「10件くらいです」
男:「それじゃあ、ちょっと厳しいな~」
私:「金額が問題ですか?」
男:「金額じゃなくて、借入件数が多過ぎるんだよ。それだと、普通のところ
   はもう貸してくれないんじゃない?」
私:「それで、ここに電話してきたんですけど・・・」
男:「ここも同じだって。だって、あんたもよく考えてみてよ。そんなに借金
   まみれの人にお金貸せる?1万円だって貸せないよ」
私:「自分、真面目に働いてますし、返済もきちんとしますので・・・」
男:「あんたね、きちんと働いている人が400万円も借金する?」
私:「・・・」
男:「まあ、他もだめだと思うけど」
私:「なんともならないですか?」
男:「あきらめたほうがいいね」

情けない。
こんな闇金融の男におれは何をお願いしているんだ。
それに、なんて情けない声をだしているんだ・・・。

いや、でもお金を用意しないことには大変なことになる。
夏のボーナスまでもてばなんとかなるし、ここが正念場・・・。

コンビニに行って、パチンコ雑誌の中にある金融の広告を探す。
あった!!

『1,000万円まで貸します!!審査なし。金利:1%。すぐに振込可。』

ここしかない!!
携帯に電話番号を記憶させてコンビニから出る。
もう仕事どころではない。
すぐに携帯から電話をする。

男 :「(とても明るく)はい、○○キャッシングでございます」
私 :「すいません、雑誌を見て電話したんですが・・・」
男 :「ありがとうございます。本日電話をされるのは初めてですか?」
私 :「はい、初めてです」
男 :「そうですか。私、山本と申しますが、本日はどのようなご用件で?」
私 :「お金をちょっと借りたいと思いまして・・・」
山本:「ありがとうございます。では、2・3質問してもよろしいですか?」
私 :「はい」

それから、住所、勤務先、借入金額、借入件数などを聞かれ、全て正直に答えた。
もう精神的にまいっている。
きつい・・・。

山本:「他の金融会社にも電話されました?」
私 :「ここに電話する前に1件だけしました」
山本:「そこはなんて言ってました?」
私 :「件数が多過ぎるんで貸せない、って・・・」
山本:「それはひどいですね。うちはそういうことはありませんので安心して
    ください」
私 :「ありがとうございます」
山本:「では、これから上の者と相談しますので、また明日電話していただけますか?」
私 :「でも、広告に『審査なし』って書いてあったんですが?」
山本:「審査ではなくて、今金庫にお金がないものですから、どっちにしてもお金を
    用意できるのは明日になるんですよ」
私 :「そうですか・・・。分かりました。じゃあ、明日また電話します」
山本:「では、お待ちしております」
私 :「本当によろしくお願いします」

よかった~!!
なんとかお金を借りれそうだ・・・。
安心した~。
20万円借りれれば、先月分と家賃は全部返せるな。
よし、よし!!
助かった・・・。

【次の日】

 私 :「山本さんいらっしゃいますか?」
別の男:「すいません、山本は外出していますが」
 私 :「えっ?何時くらいに戻られますか?」
別の男:「ちょっと時間までは分かりかねますが」
 私 :「山本さんに今日電話することになっていたんですが・・・。
     私、松下というものなんですけども、他の人だとわかりませんか?」
別の男:「すいません、担当のものでないと・・・」
 私 :「分かりました・・・。山本さんは明日はいらっしゃいますか?」
別の男:「明日は朝から出社してます」
 私 :「分かりました・・・」

あれっ?
なんで山本さんいないの?
約束したことを忘れたのかな?
急な仕事かな?
明日朝一番で電話してみよう。

【また次の日・朝】

私 :「山本さんいらっしゃいますか」
山本:「山本です。昨日はすいませんでした」
私 :「いや、いいです。それで、お金は貸してもらえるんでしょうか?」
山本:「それがですね、何点か引っかかることがあって上の者からNGがでたんですよ」
私 :「・・・・・・。もうここしかないんですよ。お願いします」
山本:「ここに電話してから、他の金融会社には電話されてませんか?」
私 :「してないですよ!私は山本さんを信頼してますから!」
山本:「分かりました。(小声で)会社はNG出しましたけど、私の知り合いにも同じ
    業種の人間がいるんで、そっちにお願いしてみます。会社が違えば審査基準も
    違いますから」
私 :「本当にお世話をかけます。すいません・・・」
山本:「いえいえ、大丈夫ですよ。では、また明日電話してもらえます?私の携帯番号を
    教えるので、携帯の方に。私も会社にバレるとやばいんで」
私 :「分かりました。山本さんの方は大丈夫ですか?会社にバレたら・・・」
山本:「大丈夫ですから、心配しないでください。では、また明日」
私 :「本当に色々とすいません。よろしくお願いします」

はぁ・・・。
山本さんならなんとかしてくれるだろう。
はぁ・・・。
はぁ・・・。

胃が痛いなぁ・・・。
会社にも督促の電話がかかってきてるし、家賃も払わないと・・・。
アパートを追い出されることになる。

<2002年4月現在>
 ・借入先:11件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ、レイク、三和ファイナンス)
 ・借入金:418万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:294,000円



<2002年4月>

【さらに次の日】

私 :「もしもし、松下ですが・・・」
山本:「おはようございます、松下さん」
私 :「あっ、おはようございます。それで、友人の方はいかがですか?
    お金を貸していただけそうでしょうか・・・」
山本:「そうですね~、知り合いの何人かに聞いてみたんですが、やはり借入
    件数の多さがひっかかるということだったんですよ」
私 :「はぁ・・・」
山本:「なんとか金額の少ないところを1・2社完済できないですか?」
私 :「無理です。今、1万円もないですから」
山本:「ご両親から借りたりしてでも無理ですか?」
私 :「親には知られたくないんです・・・」
山本:「そうですか・・・」
私 :「・・・」
山本:「私ももう少し考えますので、松下さんもなんとかお金を作れないか
    動いてもらえます?」
私 :「はい、がんばってみます・・・」
山本:「では、また明日電話をください」

もうだめなのかな・・・。
お金を工面しろって言ったって、もうどこも貸してくれないし、友達には絶対
頼めない・・・。
山本さんに頼るしかない・・・。

【また次の日】

私 :「松下です・・・」
山本:「こんにちは!ちょっとお聞きしますが、今、ローンを組んだりしてま
    すか?」
私 :「いえ、ローンはないですけど」
山本:「そうですか・・・。今日は何時に仕事終わります?」
私 :「(なんか策があるのかな?)夜の6時には終わります!」
山本:「では、後で指定するところに行って商品をローンで買っていただきた
    いんですよ」
私 :「はい」
山本:「それをですね、私の知り合いが高く買い取りますので、そのお金で
    どこか完済してもらえれば、再度うちの会社で審査いれます。
    今度は1社完済したという実績がありますので、まず間違い無く
    お貸しすることができると思うんですよね」
私 :「分かりました!それでお願いします」
山本:「では、△△電機の○○支店ってご存知ですか?」
私 :「はい、知ってます」
山本:「では、そこに着いたらまた電話もらえます?」
私 :「分かりました。夕方の7時には着くようにします」
山本:「それと、これは私が言ったってことは秘密にしてほしいんですよ」
私 :「もちろん秘密にします!」

よし、きた!!
さすが山本さん!!
これでお金を作って「三和キャッシング(借入金額:10万円)」を完済すれ
ばいいな。
先が見えた!!
なんとかなりそう♪
でも、おれ、VISAもマスターも【利用停止】をくらっているんだけど、
大丈夫かな。
まあ、今更言ってもしょうがない・・・。
よし、6時までには仕事を終えないと!!

【夕方6時30分】

私 :「もしもし、松下です」
山本:「もう着いたんですか?早いですね」
私 :「急いでタクシーで来たので。それで、この次はどうすればいいんです
    か?」
山本:「じゃあですね、○○製の××というパソコンをローンで買ってください。
    金額はおそらく20万円程度だと思うので、できれば店員と値段交渉を
    してもらえますか。会社で急にパソコンが必要になった、とかうまい理由
    を言うとさらにいいです」
私 :「分かりました」
山本:「ここからが大事なんですが、支払いは?と聞かれたら、ローンでお願い
    します、と答えてください。そして、ここのカードを作りたいので申込み
    もお願いします、と言ってもらえます。そうすると、信販ローンの申込み
    用紙を渡されるので、それに記入してください」
私 :「はい」
山本:「それで、『希望キャッシング枠』の項目には何も書かないでください。
    あと、『他からの借入金額』のところもなにも書かないで下さい」
私 :「店員に書いて、と言われたら?」
山本:「そのときは、『0』と書いてください」
私 :「分かりました」
山本:「これで大丈夫だと思うので、パソコンを手に入れて店を出たらまた電話し
    てもらえます?」
私 :「はい・・・」
山本:「がんばってください!!」
私 :「がんばります・・・」

【それから1時間後】

私 :「もしもし・・・」
山本:「どうでした?」
私 :「だめでした」
山本:「(急に声色が変わって)なんで?店員に理由聞いた?」
私 :「いえ・・・。なんか、審査が通らなかったって」
山本:「いや、そんなことはありえない!あんた、なんかした?」
私 :「あの~、前にUCカードとDCカードで【カード使用停止】を食らってる
    んですよ。もしかしたら、それが原因かと・・・」
山本:「あんた、そんなこと一言もおれに言ってないよね?」
私 :「すいません・・・。本当にすいません・・・」
山本:「・・・」
私 :「すいません・・・」
山本:「あんた、もうあきらめたほうがいいよ。おれはもうやることはやったから」
私 :「山本さん、すいません!なんとか、他に助かる道はありませんか?お願い
    します!」
山本:「・・・、無理だね。こっちは一生懸命やっているのに、嘘までつかれたん
    だから。あんた、おれが言うのもなんだけど【人間のクズ】だね!」
私 :「すいません・・・。なんとか、なんとかなりませんか?今週中にお金を用意
    しないとやばいんです・・・」
山本:「おれの知ったことじゃないって!」

電話は切れた。

どうしよう・・・。
「どこからかお金を借りれないか?」
「何か売るものはないか?」
「親に電話して少しお金を送ってもらおうか?」

どれも根本的な解決にならない。
とりあえず今週中に20万円を用意しなければ大変なことになる。
想像もしたくない。
会社への督促の電話も毎日かかるようになってきてるし・・・。

でも、今月をなんとか回避できでも、来月にはまた15万円近く足りなくなる。
再来月もまた15万円を工面しないといけない。
夏のボーナスまで、あと3ヶ月。
無理だ・・・。

 【ゲームオーバー】

残された道は「自己破産」・・・。
それだけは絶対避けたい!

でも、親には「借金が400万円ある」なんて絶対に言えない・・・。
死んでも言えない・・・。
たぶん、母親は泣くだろう。
父親はがっかりして、おれを殴る。
殴られることはそんなに問題ではなく、重要なのは、

【自分に対する両親の期待をこっぱみじんに粉砕すること】

それも自らの手で・・・。

アパートに帰るが、食欲は全然なく、鏡で見た自分の顔はひどくやつれた病人
のようだった。

布団に入っても体が震えてくる。
不安で、不安で・・・。

「朝起きたらこれが全て夢だったらいいのに」と思うが・・・。

結局、不安で一睡も眠ることができないまま会社に行く。

精神状態は自分でもどうしようもできないくらいおかしくなっていた・・・。


☆次回、ついに【最終回】!!


<2002年4月現在>
 ・借入先:11件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ、レイク、三和ファイナンス)
 ・借入金:418万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:294,000円



<2002年4月>

不安で一睡も眠ることができない。

どうしよう・・・。
お金がない・・・。
なんとかならないかな・・・。
なんとか・・・、なにか売るものはないか・・・。

精神状態は自分でもどうしようもできないくらいおかしくなっている。
しかし、朝が来れば会社に行かないといけない。
仕事をするというよりも、会社への督促電話の対応に行くのだ。

あああ、いったいどうしたらいいんだ・・・。
誰か助けてくれ。。。

会社に行っても仕事をする状態じゃない。
インターネットで、お金を貸してくれそうなところを探している。

そして、昼前。
1本の督促電話がかかってきた。

女:「松下さんですか?」
私:「はい、松下です」
女:「○○ですが、先月の返済期限が過ぎていますがいかがなされました?」
私:「(周りを気にしながら)はい、その件は確認して折り返します」
女:「なにを確認するんですか?支払方法ですか?」
私:「いや、そうじゃなくてですね、1度確認しますので・・・」
女:「なんですか?松下さんですよね?」
私:「(この女、気づけよ!お前がかけてきているのは会社だぞ!会社の電話で
   明日には振り込みます、なんて言えるか!)・・・」
女:「もしもし?松下さん?」
私:「ですから、確認しますので」
女:「あの~、ですから、何を確認するんですか?」

遂にイライラが頂点に達したおれは電話を切ってしまった。
周りの同僚は怪しい目つきでおれを見ている。
こうなってしまったら、なにも言い訳ができない。
おそらく周りの同僚は「おれが借金の督促の電話を受けている」ことは知ってい
るはずだ。
そりゃあそうだ。
こんなに毎日、会社名も言わず「苗字」しか言わない人から電話がかかってくる
のだから。

「周りの視線」と「今日中に10万円を用意しないといけない脅迫観念」が遂に
精神をおかしくしてしまった。

私 :「すいません、課長。ちょっといいですか?」
課長:「なんだ?」
私 :「すいません、個人的な相談なんですが・・・」
課長:「そうか。じゃあ、昼飯でも行くか」

2人無言のまま、和食屋に入っていく。

課長:「それで、相談ってなんだ?」
私 :「あの~、借金のことで・・・」
課長:「だれの?」
私 :「自分です」
課長:「薄々気づいていたけど、最近そわそわしていたのはそれが原因か?」
私 :「はい、すいません・・・」
課長:「で、借金はいくらなんだ」
私 :「・・・。400万円です」
課長:「(唖然として)400万円・・・。誰かにだまされたのか?」
私 :「いえ・・・」
課長:「じゃあ、借金の原因はなんだ?400万円って、かなりの金額だぞ」
私 :「ギャンブルです」
課長:「(絶句)・・・。お前な~、ギャンブルで400万円も借金作ってどう
    するんだ!」
私 :「すいません・・・」
課長:「パチンコか?」
私 :「はい。それとスロットです・・・」
課長:「はぁ・・・」

しばしの沈黙。

課長:「毎月の返済金額もかなりあるだろ?」
私 :「・・・。30万円近いです」
課長:「(あきれて)給料よりも多いじゃないか。それで、もうどうしようも
    できなくなって相談したのか?」
私 :「はい・・・」
課長:「親には言ったのか?」
私 :「言ってません」
課長:「・・・。闇金融とかには手を出してないだろうな?」
私 :「はい!闇金融からは借りてません!」
課長:「おれの友達にも国立大学を卒業して公務員になった奴がいたけどな、
    そいつも借金で首が回らなくなって、役所にもいられなくなってな、
    今はタクシーの運転手だ!
    なんでいい大学出たのに、そんなことも分からないんだ?」
私 :「すいません・・・。
    気がついた時にはもうどうしようもできなくなって・・・」
課長:「いつから借金してたんだ?」
私 :「大学入ってからです」
課長:「大学入って、遊ぶ金欲しさにか?」
私 :「はい・・・」

再び沈黙。

課長:「100万円くらいだったらおれが個人的に貸せるけど、400万円
    ともなるとどうしようもできないんで、ちょっとおれに預けろ!
    悪いようにはしないから」
私 :「はい、すいません・・・」
課長:「借金のことは他に誰か知ってるか?」
私 :「誰も知りません・・・」
課長:「会社の同僚とか友達から金を借りたりはしてないだろうな?」
私 :「してません!」
課長:「分かった」

借金をして6年。
初めて人に相談した。
でも、それが会社の上司というのは、精神状態が普通だったら絶対ありえない!
借金が原因で会社をクビになるのは全然珍しくないのだから。

会社に戻ってから仕事をするが、当然手につかない。

そして、1時間後。

課長:「おい、松下!ちょっと会議室まで来い!」




<2002年4月現在>
 ・借入先:11件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ、レイク、三和ファイナンス)
 ・借入金:418万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:294,000円

借金は身を滅ぼす⑧

有名なコピペですが他人事では無いので(笑)紹介しておきます。

順番にどうぞ。



借金は身を滅ぼす
借金は身を滅ぼす②
借金は身を滅ぼす③
借金は身を滅ぼす④
借金は身を滅ぼす⑤
借金は身を滅ぼす⑥
借金は身を滅ぼす⑦
借金は身を滅ぼす⑧
借金は身を滅ぼす⑨
借金は身を滅ぼす⑩
借金は身を滅ぼす 完済篇



<2001年10月>

給料日、いつもよりも少し早めに仕事を切り上げ、返済へと走りまわる。
お決まりのパターンなので、少しも躊躇することなくATMにお金を入れていく。
以前よりも違うのは、財布の中のお金が少ないこと。
給料日なのに全部返済できないこともあるのだから情けない・・・。

今月は消費者金融7社分を返済し終わると、財布の中に2万円残っていた。

「よし。韓国マッサージにでも行って、疲れをとろう」

近くのよく行く韓国マッサージに行く。
金額は1時間で16,000円。

「そんなお金があったら返済にまわせばいいのに・・・」
心の中では思うのだが、体は既に店の中に入っていた。

1時間後、マッサージが終わり店の外に出ると、変なおじさんが2人近づいてきた。

「客の呼びこみ?」と直感で感じた。
だが、その内の1人が意外な質問をしてきた。

男:「今、そこの韓国マッサージに行ってました?」
私:「(不審がって)はい、そうですが、なにか?」
 男はポケットに手を入れ、
男:「私、こういうものですが」
 と、『警察手帳』を出してきた。

(ああああああああああああああ!!)
一瞬、頭の中が錯乱する。
「韓国マッサージ」でふしだらなことをして・・・、まじで、まじで。
逮捕されるの?
まじで?

警察:「もしよろしければお話を伺えますか?」
私 :「(かなり動揺して)は、はい。いいですよ」
警察:「では、車がありますので署のほうでよろしいですか?」
私 :「えっ!警察に行くんですか?」
警察:「大丈夫ですから」
私 :「逮捕ですか?」
警察:「(微笑ながら)いや~、そんなんじゃないですよ。少しお話を伺うだけです
    から」
私 :「そうですか・・・。分かりました」
警察:「じゃあ、行きましょうか。では、現在の時刻が8時12分」

(ちょっと、なに?なんで今、時間を確認したの?それって、テレビで見たことある
 けど、逮捕の時によくやるやつじゃん!!)

私は車に乗せられ、警察署へと連れていかれた。
車の中では、親になんて言おう、会社はクビかな、などと不安な考えが頭の中を巡る。

人生初めての警察署は区役所のような雰囲気だった。
違うのは、酔っ払いがイスで寝ていたことぐらいか。

『取調室』に連れていかれるのかと思いきや、連れていかれたのは普通の部屋で、なぜ
私がここに連れてこられたのかを教えてもらった。

警察:「あのですね、あなたが行かれたあの韓国マッサージなんだけど、あそこ無許可
    なんですよ」
私 :「本当ですか?それって、行った本人も罪になります?」
警察:「罪にはなりませんよ。だって、外から見ただけだとわかりませんから」
私 :「そうですか、ほっとしました」
警察:「ですから、今回来ていただいたのは、参考でお話を伺いたいんですよ。お時間
    はありますか?」
私 :「大丈夫です」

それから約2時間、店内で何が行われたかを聞かれた。

警察:「じゃあ、服は自ら脱いだんですか?」
私 :「はい。女の子が言う前に私のほうから脱ぎました」
警察:「その服は‘かご’に入れたんですか?」
私 :「はい。かごに入れました」

警察:「ローションはどこにありました?」
私 :「おそらく、部屋の中の棚にあったと思うんですが・・・。すいません、よく覚
    えてません」

警察:「では、女の子への【お触り】はなかったんですか?」
私 :「はい。女の子が私の足のほうに坐ったので、【お触り】はしませんでした」
警察:「でも、店内には【お触りOK】と書いてたんですよね?」
私 :「書いてたんですが、私のほうが面倒くさくなって・・・」

と、こんな感じで調書を書いた。
調書は本当に細かく、部屋の中の間取りや女性の顔・形なども聞かれた。

最後に謝礼として少しお金をもらって、警察署を出た。

本当に情けない・・・。
おれはいったい何をやっているんだ。

借金までして、警察には事情聴取されるし・・・。
親が知ったら泣くな。

ああ・・・。

結局、今月も家賃が払えなかった・・・。

どうなるんだろう?
おれはどうなるんだろう?

会社にいるのが怖い。
会社の電話が鳴るたびにビクビクする。
督促の電話じゃないかと・・・。

もはや休みの日にパチスロをするお金もない。
食費もない。

お金がない。

本当に1日1日生きていくのがギリギリです。


<2001年10月現在>
 ・借入先:9件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ)
 ・借入金:384万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:264,000円



<2001年11月>

お金がない。
全くお金がない。
返済できない・・・。

どうしよう?
どうすればいいんだ?

こんなことを毎日考えている。
楽しくない毎日。
苦しい毎日。

今月は完全にお金がない。
給料日を迎え、給料を全部返済にまわしても足りない。
アパートの管理会社からまた督促状が届いた。

『11月15日までにお家賃を振込んでいただけない場合、鍵を取り返させて
 いただきます』

どうしようもなかった。
仕事帰りに実家の親に電話する。

私:「もしもし、おれ」
母:「仕事終わったの?」
私:「うん、今帰るとこ」
母:「きちんとご飯食べてる?コンビニ弁当ばっかりじゃないの?」
私:「大丈夫」
母:「うん、ならよかった。お母さんなにか食べ物送ろうか?」
私:「いいよ、こっちで買えるから」
母:「そう・・・」
私:「それでさ、お願いがあるんだけど」
母:「なに?」
私:「今年さ、不景気じゃん。うちの会社も冬のボーナスが出ない感じなんだよ
   ね。それで、前にローン組んでて、冬のボーナス分がこのままだと払えな
   くて・・・」
母:「なに買ったの?」
私:「テレビ」
母:「いくらの?」
私:「15万円」
母:「そんな高いテレビ買わなくても。それで、いくら必要なの?」
私:「5万円あれば大丈夫」
母:「じゃあ、明日振り込むからきちんと払って」
私:「そんなに急がなくてもいいよ。支払いはまだ先だから」
母:「はい、はい。でも、お金が無いからといって借金だけは絶対しちゃだめだ
   よ」
私:「分かってるって」

全てが嘘だった。
母親に話した内容全てが嘘だった。

・冬のボーナスがでないこと
・ローンで15万円のテレビを買ったこと
・借金してないこと

次の日、5万円ではなく10万円が振り込まれていた。
そのお金で家賃を払い、残ったお金はいつものようにパチスロへと消えていった。

無意識のうちにパチンコ屋へと向かってしまう。
パチスロをしているときも全く楽しくは無い。
どちらかといえば胃が痛い。
じゃあ、なんのためにパチスロをしているのだろう?
正直、自分でもわからない。

【ギャンブル中毒・末期症状】

この言葉ひとつで説明できるのが情けない・・・。

ひどい罪悪感がおれを襲っている。
借金をしたことよりも【母親に嘘をついたこと】で。

ひどくいらいらする。

『なにもかも捨てて逃げたい!!』

でも、そうすると親に迷惑がかかる・・・。
結局、【意気地】がないだけかもしれない。
【根性】があればもっといい選択肢に出会えたかもしれない。
もっと【努力】していれば・・・。

どんなに過去のことを考えても、「400万円の借金」という現実は変わらない。

12月、冬のボーナスがでる。
まさしく人生最後の【蜘蛛の糸】だった。

最後の救いの神:【30万円】をどう使うか。

しかし、選択肢は1つしかなかった・・・。


<2001年11月現在>
 ・借入先:9件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ)
 ・借入金:386万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:264,000円



<2001年12月>

2001年12月20日。
冬のボーナスがわが社でも支給された。
金額は『30万円』。

どうやって使おう?
とりあえず借金の返済に充てるのだが、12月分の返済分だけで『27万円弱』
かかる。

1、武富士・・・・30,000円
2、アコム・・・・25,000円
3、アイフル・・・24,000円
4、オリックス・・20,000円
5、モビット・・・10,000円
6、プリーバ・・・15,000円
7、キャスコ・・・20,000円
8、UCカード・・70,000円 ※キャッシング、ローン含む
9、DCカード・・50,000円

      合計:264,000円

これでボーナスのほとんどはなくなる。
そうすると、12月分の給料(20万円)は丸々使えるわけだが・・・。

だが、よく考えると11月に払った家賃は10月分の延滞していた分なので、
正確には11月と12月の2ヶ月分の家賃を払わないといけない。
これで11万円が消える。
残りは『9万円』・・・。

「ボーナスをもらってもこんなに厳しいの?」

これが正直な感想だった。
できれば、夏・冬のボーナスで1社ずつ完済できれば、などと淡い夢を抱いて
いたのだが、目の前にある数字は想像以上の金額だった。

「とりあえず9万円あれば正月を越せるか・・・」

1日1日生活するので精一杯だった。
会社の同僚から、スキーに誘われたがもちろん行けない。
「広島の実家に帰るから」と、嘘をつく。
親にも「正月は仕事があるから、今年も帰れない」とまた嘘をつく。

「本当に嘘が多くなった・・・」

今月は返済をきちんとしたためか、会社に督促の電話もなく、とても平穏に年末
を迎える。
実家から餅やレトルト食品がダンボール1箱分送られてきた。

「ありがたい・・・。本当にありがたい・・・」

1月1日、近くの神社に行っておみくじをひく。
結果は【大吉】。

【あなたの今年の運勢は上向きです。自分を信じて行動することが大事】

いったいなにが【大吉】なんだ?
おそらく死刑判決を受けた犯罪者でも、おみくじを引けば【大吉】が出るんだろ
うな。
根本的に終わった人間は、おみくじを引いても意味がないことを知った。

「くそっ!」

世間の幸せそうな人たちを見るのが辛い。
おれはもう自然に笑うことができないのだろうか・・・。

「ドラゴンクエスト3」を中古で買ってきて、大学時代のように徹夜でゲームを
やってみた。
昼に起きているとパチンコ屋に行ってしまうので、あえて昼と夜を逆転した生活
にしてみる。
が、無駄だった。
徹夜でもパチンコ屋には行けるのだ。
もはや病気は自分ではどうしようもできないところまで悪化している。

正月休みが終わった段階で所持金は0円に近かった。

2001年。
この年はおれにとっていったいどんな意味があったのだろうか?
ただ借金を増やしていただけのように思える。

そして、2002年。
ある意味【人生最後の年】を迎える・・・。

正直、2001年で終わっていたのかもしれない・・・。


☆最終回まであと『5回』。


<2001年12月現在>
 ・借入先:9件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ)
 ・借入金:388万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:264,000円



<2002年1月>

正月休みが終わって会社に行くと、しばらくの間は膨大な仕事に追われて借金の
ことを忘れることができた。
が、財布の中にお金がない事実は変わらない。
どうにかしなければいけない。

「は~、また借金か・・・。次はどこにしよう・・・」

「キャスコ」の契約時(第50号参照)にひどく恥をかいたので、できれば無人
契約機で借りられるところがいい。

その当時、とても私の興味を引いていたのが「レイク」。
名前もよく聞いていたし、最近ではテレビCMも見る。

「ここしかない!!」

ここで何かの雑誌で読んだ情報を思い出した。

【無人契約機では、通常の対面式の審査よりも厳密に調べられることがあります。
 無人とはいえヒゲも剃らずにTシャツで行くようなことはやめてください。
 むしろ、これから彼女と会うような気構えで行くのがベストです】

「よし!!
 じゃあ、おれの場合はこんなシチュエーションで行こう!」

 『仕事中に急に今日が彼女の誕生日だと気づいた。でも、財布にはお金がない。
  う~ん、困った。そんな時、偶然目の前に「レイク」の看板が目に入った。
  彼女のためだ、仕方がない!』

と、こんな感じで無人契約機の中に入って行った・・・。

あまり慣れた感じを出すと怪しまれるので、あえて‘キョロキョロ’する。

女の声:「こんにちは、どうぞおかけください」と、声だけが聞こえてきた。
 私 :「あっ、はい」
女の声:「では、机の上にある申し込み用紙に記入をお願いします」
 私 :「分かりました」

申し込み用紙に名前・住所などを書いていくと、いつもの難所がやってきた。

【あなたの現在の借入先と借入金額】

しかも、また「5ヶ所」までしか書けない。

「9社」から借りている俺はどうすればいいんだ?
まあ、いいか。5ヶ所しか書くところがないんだから、借入金額が多い順に
5ヶ所書いてやれ。

全て記入し終わり、健康保険書のコピーと申込書を指定の位置にセットした。

女の声:「では、審査いたしますのでしばらくお待ちください」

狭い部屋の中には無駄なものが一切置かれていない。
唯一置かれているのは、時間つぶしのための雑誌。
それも「ROLEX大百科」とか「上手なリフォーム術」、「日経マネー」などの
絶対読まないような雑誌。
それでも敢えて「日経マネー」を呼んでレンズの向こうの相手にアピールする。

「おれは本当は経済に興味がある男なんだ!借金が多いのは魔が差しただけだ!」

おそらく全く無駄な努力なんだが・・・。

3度目の「上手なリフォーム術」を読み終えた時、今度は生の女性の声が聞こえて
きた。

女の声:「本日はありがとうございます。2・3質問してもよろしいでしょうか?」
 私 :「(きた、きた!!)はい」
女の声:「まずは本日のお借入の目的なんですが、【その他】にチェックされてい
     るんですけれでも、具体的に教えてもらってもいいですか?」
 私 :「はい。今日が彼女の誕生日ってことをすっかり忘れてたんですよ。
     それで、プレゼントを買うお金に困ってしまって」
女の声:「(冷めた感じで)分かりました」
 私 :「(嘘ってばれた?)」
女の声:「それと、申込書に書かれてある借入先で全部ですか?」
 私 :「いや、もう少しあります」
女の声:「他は、どこから、いくら借りてますか?」
 私 :「え~とですね、プリーバから30万円です」
女の声:「あとはありませんか?」
 私 :「(借入金額が50万円のモビットのことは隠そう。)ありません!」
女の声:「おかしいですね。こちらのデータだともう1件あるんですが、お記憶にあ
     りませんか?」
 私 :「(やばい、ばれてる!)あっ、思い出しました。モビットから借りてます。
     でも、あれって信販系じゃないですか?」
女の声:「関係ないですよ。借りたところがあれば全部話してください」
 私 :「すいません・・・」
女の声:「ではもうしばらくお待ちください」

「あ~、これでだめだな・・・」

それから10分後。

女の声:「お待たせしました。ただいま審査をしたところ、ご希望限度額の50万円
     はちょっと厳しいんですが、20万円までなら可能ですが?」
 私 :「あっ、ありがとうございます!」
女の声:「では、今からカードを発行しますのでもうしばらくお待ちください」

「やった!!!!」と、叫びたいところだが、無人契約機を出るまではどこから見ら
れているか分からない。
平静を装う。

カードをもらってからの行動は早かった。
即座に隣のATMに行き、5万円を引き落とす。
そして、近くのラーメン屋で味噌ラーメンを食べ、時間はまだ夜の7時。

「よし、ひと勝負!!」

その3時間後。
5万円なんてあっという間になくなる。

「まだまだ!!
 あと15万円借りられる!!」

だが、もう目の前には1月の返済タイムが迫ってきている。
毎月の返済金額が30万円近いのだから、給料だけでは足りないのは明らかで、毎月
10万円はどこから工面しないといけない。

1月の返済を終えた時には、1月分の給料と「レイク」の限度額がなくなっていた。

来月もどこからか借りないと・・・。


☆最終回まであと『4回』。


<2002年1月現在>
 ・借入先:10件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ、レイク)
 ・借入金:408万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:284,000円



<2002年2月>

は~。
毎日胃が痛い・・・。

どうしよう?
また今月の返済がやってくる。
もちろん財布の中にはお金がないし、通帳の中にもない。
家の中にもないし、会社の机の中にもない。

全くお金がない・・・。

とりあえず25日の給料日を迎えて返済に回ってみるが、やはり足りない。
家賃なんかは最初から計算にいれていなくても、それでも10万円は足りない。
これもアイフルやオリックスの「貸出停止」が大きい。

「全ての消費者金融が貸出を停止したらどうなるんだろう・・・」

考えるだけで恐ろしくなる。
そうなった時はそうなった時に考える。
まずは目の前の「10万円」の工面が急務だ。

といっても、もはや【借金】しか手段はない。
それも新規で借りないと、他からは1円も借りることはできないのだから情けない。

おそらく初めて何も計画を立てずに消費者金融に入っていったと思う。
その会社は『三和ファイナンス』。

女の社員:「(明るく)こんにちは!!」
  私  :「どうも・・・」
女の社員:「はじめてですか?」
  私  :「はい、はじめてです」
女の社員:「ありがとうございます。それで今日はどんなご用でしょうか?」
  私  :「(ここに来るのに借金以外ないだろう!)え~とですね、少しお金を
      借りたいんですが」
女の社員:「では、こちらにご記入していただけますか」

いつもの見慣れた申込用紙に、備えつけのペンですらすら書いていく。

女の社員:「今日はなにか本人を証明できるものはお持ちですか?」
  私  :「保険証は持ってますけど」
女の社員:「ありがとうございます。印鑑はお持ちですか?」
  私  :「持ってます」
女の社員:「では審査が通りましたら、本日からご利用が可能ですね」
  私  :「(通ればね・・・)」

申込用紙に全てを書き終えると、女の社員がそれを持って裏の部屋へと消えていき、
30分近く経過した。
対面でこんなに時間がかかるのも久しぶりだ。

女の社員:「すいません、松下様。ご自宅には誰もいませんか?」
  私  :「1人暮らしなんで、誰もいないですけど」
女の社員:「そうですか・・・。それでは、ご実家の方に確認の電話をしてもよろ
      しいですか?」
  私  :「あまりよろしくはないですけど・・・。しないとまずいんですよね?」
女の社員:「そうですね。もちろん、私の身分は変えますので」
  私  :「分かりました・・・。バレないようにお願いします・・・」

そして、広島の実家に「大学時代の友人」という形で電話がいった。
そのお陰で『限度額:10万円』のカードを手に入れることができた。
(本当は『限度額:50万円』で申し込んだのに・・・)

消費者金融を出てから、限度額いっぱいで10万円を借りてキャスコ、レイク、UC
カードの返済にあてた。

その夜、実家の母親から電話があった。

母:「今日、大学時代の友達っていう人から電話があったけど」
私:「なんて言ってた?」
母:「連絡がつかなくなってたんで、電話番号を教えて欲しいって」
私:「そう・・・。誰だろう?」
母:「山本さんっていう女の人だったよ」
私:「ああ、山本さんね」
母:「友達かい?」
私:「うん、友達・・・」

まさか「消費者金融の人」とは言えない。

あ・・・・。
また今月も新規でカードを作ってしまった・・・。
来月も作らないといけないだろうな~。
家賃も払ってないし、生活費も全くない・・・。

ああ・・・・。
とりあえず、もう1枚カードを作ろう!!
そうしないと明日から生活できない!!

よし、明日作ろう!!

が、事態は急変する。


2002年3月1日、全ての消費者金融が貸出を停止した。

借金は身を滅ぼす⑦

有名なコピペですが他人事では無いので(笑)紹介しておきます。

順番にどうぞ。



借金は身を滅ぼす
借金は身を滅ぼす②
借金は身を滅ぼす③
借金は身を滅ぼす④
借金は身を滅ぼす⑤
借金は身を滅ぼす⑥
借金は身を滅ぼす⑦
借金は身を滅ぼす⑧
借金は身を滅ぼす⑨
借金は身を滅ぼす⑩
借金は身を滅ぼす 完済篇



<2001年5月>

今月、わが社の決算が予想よりもよかったということで、なんと臨時ボーナスが
でた!

金額も、1人に【10万円】!!

社内では、「今夜どこに飲みに行く?」など、みんな笑顔。
私は「どの返済に当てるかな・・・」と、全く夢が無い。

だが、この「10万円」は大きい。
というか、(今計算すると)毎月の返済額が「234,000円」なのだから、
給料だけでは足りない。
もちろん、毎月の家賃もあるし、食事代もある。

頭では「どこの返済に充てればいいか?」と考えるのだが、財布の中に「10万
円」が入っていることで【あの病気】が出てしまう。

「1万円だけ。1万円だけ、あの新台のパチスロを打たせて」
仕事も早々に終え、会社近くのパチンコ屋へと向かう。

30分後・・・。

「あと1万円だけ。まだ閉店まで時間もたっぷりあるから」

1時間後・・・。

「なんだこの台!!何万円使ったら出るねん。絶対出す!!」
(精神状態が少しおかしくなる)

2時間後・・・。

「ちょっと、まじで?もう5万円も使ってるじゃん。この5万円があったら、家賃
 を払えたのに・・・」
(後悔しながらのパチスロ。でも、自ら止めることはできない)

22時50分、店内で「蛍の光」がかかり始める。
結局、閉店までの4時間で【7万円】の負け。

精神も肉体もボロボロになったので、タクシーで帰る。
外には楽しそうに酔っ払っているサラリーマンが見える。

次の日、会社で仕事をしていると内線が鳴る。

私:「はい、松下です」
男:「松下、なんかお前のお母さんから電話がきてるぞ」
私:「母親?」
男:「ああ、松下の母って言ってるから」
私:「なんだろう?すいません、ちょっと出てみます」

すごく嫌な予感がする。もしかして「借金」がばれたのか・・・。

私:「もしもし」
母:「ちょっと、一樹!あんた、電話代払ってないの?」
私:「(すごく驚いて)なんで?」
母:「ずっと家に電話しても出ないし、今電話したら、お客様の都合で電話を止め
   てるってなってるし。あんた、お金大丈夫なの?」
私:「(平静を装って)ああ、そのことね。携帯あるから家の電話は止めてるんだ
   って」
母:「なら、いいけど・・・。じゃあ、連絡するときは携帯にすればいいんだね?」
私:「ああ。携帯にして」
母:「本当にお金は大丈夫なんだね。電話代、お母さんが払おうか?」
私:「いいって。家の電話は使わないから。もう切るよ」
母:「うん・・。お母さん、心配になって・・。会社の人に宜しく言っておいてね」
私:「分かったから」

電話を切った後、周りの同僚に言い訳をする。
母親から会社に電話があったら、当然何事だと思う。

おそらく母親はこの時点で「なにか怪しい」と思ったに違いない。
しかし、私は【最後】までバレないように装い、結果、最後までバレなかった。
果たして良かったのか悪かったのか・・・。

命の綱の「夏のボーナス」がでる7月まで、あと2ヶ月。
このボーナスで借金の元金をどれだけ減らせるか、これが重要だった。

周りの同僚は「夏のボーナスで海外旅行に行く」と言って楽しそうなのに対し、おれ
はいったいなんなのだろう。

おれはいったい何をしているのか・・・。

もう後には戻れない。
誰にも相談できない。

会社帰り、借入が禁止になった「アイフル」のATMに行く。
無理だと分かっていても、「アイフル」のカードをATMに入れてみる。

 【借入可能金額:0円】

この文字を見ないと納得できない。
もしかしたら、もしかしたら、もしかしたら・・・。
こんなことを考えながら月に10回は「アイフル」のATMに行くのだった。

もちろん「オリックス」にも同じことをする。
もしかしたら、機械の故障で借金が「0」になっているかもしれない。

【奇跡】を求めるようになった。

自分の力だけでは返済が無理なことは分かっていた。

ただ、まさかおれが「多重債務者」になるなんて思いもしなかった。
浪人して、国立大学の経済学部に入ったのに。
なんで、おれが「多重債務者」なの?

そんな肩書きはいらない!!
まるで【犯罪者】のような目で世間から見られる肩書きは・・・。


<2001年5月現在>
 ・借入先:8件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ)
 ・借入金:344万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:234,000円



<2001年6月>

ボーナスまで、あと1ヶ月と迫った6月。
近頃、急に飲みに誘われることが増えた。
もちろんお金が無いので断ればいいのだが、夜を迎えると甘い誘惑に負け、つい
つい飲みにいってしまう。
もちろん支払いは「カード」。
今までは「PS2の転売」以外では利用しなかった「アコムmasterカード」だが、
最近は普通に飲み屋で使うようになった。
(その場で「リボ払い」と言わなくても、支払いが「リボ払い」になるというメリ
 ットもある)

しかし、現金が財布に無いということは非常に恐ろしい。
急な出張でも、会社から【前借り】をしないといけない。
上司には、「おまえ、1万円もないのか?」と、冷めた目で見られる。

「ないものはないんだ」と、心の中でつぶやく。

6月のある日の朝、いつものように目を覚ましテレビの電源を入れるが、画面が映
らない。
部屋の明かりもつかない。

「停電?」

確かに、家の電化製品は全く動かない。

「なんだよ、朝から停電なんて、最悪・・・」

ぶつぶつ言いながら、はみがきをしているときにふと気がつく。

「もしかして【停電】じゃなくて、電気を止められたんじゃないの?」

そう思いついたとき、頭の中の色々な情報が一つに結ばれた。

1、最近、電気代を払ってないこと
2、1週間くらい前に「イエローカード」が郵便受けに入っていた。
   ※イエローカード:電気代の支払いが滞っているとき、あと1週間で電気を
    止める旨を書いた勧告書。
3、数日前、「レッドカード」が届いていた。
   ※レッドカード:あと数日で電気をとめること。
           料金は電力会社に直接支払わないといけない。

支払いが滞っている電気代を計算すると、2ヶ月分で「1万5千円」。

「無理だ。1万5千円なんて無いよ・・・」

とりあえず出社するが、電気代をどうするかで頭が一杯で、仕事に身が入らない。
本当に電気を止められたのは初めてだったので、とても恐ろしく感じられた。

「電気代を今日払わないと、家に帰っても真っ暗なんだよね。テレビも見れないし、
 風呂にも入れない・・・。もうサラ金しかないか・・・」

仕事中、パソコンで消費者金融を探していると、会社に近いところにある消費者金融
をひとつ見つけた。名前は

『キャスコ』

会社の昼休み、急いで向かう。
かばんには「印鑑」と「健康保険証」は常に入れていたので、いつでも新規契約が
できる。

「キャスコ」の対応はよく、話はすんなりすすんだ。

キ:「・・・、ありがとうございます。松下さまは現在他の消費者金融から借入は
   ありますか?」
私:「はい、あります」
キ:「では、こちらに借入先のお名前と金額を記入してください」
私:「(恥ずかしそうに)すいません。これって5社までしか書けないんですか?」
キ:「えっ?5社だと足りません?」
私:「すいません・・・8社なもので・・・」
キ:「(あきれたように)では、その枠外にでも書いてください」

申込書を書いて10分くらい待つと結果がでた。

キ:「松下さま、お待たせしました。今回、残念ながら・・・」
私:「(まじで、審査が通らなかったの?)」
キ:「残念ながら、希望額の30万円では審査が通りませんでした。そこで、数字
   を変えてやってみましたら『限度額:20万円』ならOKが出たんですが、
   いかがいたしましょうか?」
私:「(興奮して)いいです、いいです。20万円でお願いします」
キ:「ありがとうございます。では、本日からお借りすることができますが?」
私:「(ちょっと考えて)じゃあ、5万円ほど貸してもらえますか?」
キ:「分かりました。では、お手配をいたしますので少々お待ちください」

助かった・・・。

「キャスコ」を出たその足で電力会社に2ヶ月分の電気代を支払いに行く。
これで夜に帰ると電気は復活するとのこと。

しかし、よくよく考えると今回2つの初体験があった。
1つ目は、「電気が止められたこと」。
そして、2つ目は「希望額で審査が通らなかったこと」
こんなことは今まで1度もなかった。

もしかして俺って末期なの?
いや、大丈夫。来月は待望の『夏のボーナス』が出る。

が、会社に戻ると嫌な情報が流れていた。

『夏のボーナス、完全カット』

目の前が真っ暗になった。


<2001年6月現在>
 ・借入先:9件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ)
 ・借入金:357万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:242,000円


<2001年7月>

7月に入っても、ボーナスがでるかどうか全く分からない。
普通なら事前に報告があると思うのだが、いかんせん中小企業なのでかなり
アバウトである。

が、7月10日ころ、遂に発表された。

【今年の夏のボ-ナスは、1.5ヶ月分(7月20日振込)】

1.5ヶ月分ということは、金額にすると「30万円」。
一般企業ならもう少し多いと思うのだが、今はそんな贅沢は言えない。
もらえるだけ十分なのだ。

早速使い道を考える。
夏用のスーツも欲しい。
欲しいゲームもある。
靴もボロボロだ・・・。

いや、待て。まずは借金の返済を考えないといけない。
滞納している家賃2ヶ月分で「10万円」。
DCカードとUCカードで「10万円」。
残りの10万円を今月分の借金の返済にあてると・・・。

「全く残らないじゃん!!」

しかも、今月分の家賃を普通に払うと、今月の給料も無くなる。
食費は当然ない。

「まじで?ボーナスもらっても全然足りない・・・」

情けない。
本当に情けない・・・。

ただ、気持ち的にはまだちょっと余裕がある。
理由は、先月作った「キャスコ」がまだ15万円ほど使えるから。

【お金が借りられることが幸せ】


ボーナスが振り込まれる7月20日。
興奮しているのか、いつもよりも早く目がさめる。

会社に行く前に銀行のATMで残高照会をしてみると、

【残高:192,164円】

なにこれ?
とっても微妙な数字だ。
「30万円」が振込まれていたらこんな数字にはならない。
【残高:300,453円】という数字が出ると思っていたのだ。

すぐに通帳記入をすると、忘れていた名前が現れた。

【引き落とし 山本新聞店:72,000円】

ここ2年くらい払っていなかった新聞代が引き落とされている!!
しかも「72,000円」!!
あまりにも予想外のことに、ATMの前でしばし呆然とする。
が、山本新聞店に抗議するわけにはいかない。
どう考えても、新聞代を払っていない私が悪いのだから・・・。

これで計算が狂った。
2ヶ月分の家賃と「DCカード」「UCカード」の支払いで完全に
ボーナスがなくなる。

その日の会社の帰り、「キャスコ」で3万円を借りた。
まさか、ボーナスの日に返済ではなくお金を借りるために「キャスコ」
に行くとは思いもしなかった。

「かなりヤバイな・・・」

感覚的にそう感じた。
どう計算しても借金をしないと今月分の返済が終わらない。
いったいどうすればいいのだろう・・・。
どこで失敗したんだろう・・・。

あぁ・・・。
だれか助けてくれないかな・・・。
100万円落ちていないかな・・・。
親が死んだら遺産とかもらえるのかな・・・。

「親の死」まで考えるようになっては、人として終わり。

でも、助かる道が全く思いつかない。
今から一生懸命に働いても、借金の返済がそれを上回る。
(今の仕事が土・日出社もあるので、土・日働くことは困難)

遅すぎたのだ・・・。
もう少し早ければ、助かる道はあったのかもしれない。

多重債務へのプロセスが分かっていれば、その当時の自分と照らし合わせ、
「おれって、多重債務者のレールに乗ってる?」と気がついたかもしれな
い。

全て結果論ではあるが・・・。

この当時は、まだ【なんとかなる】と思っていた。
神様がいるのなら、きっとおれを助けてくれるはずだ。
今まで大きな困難の時には、努力して必ず成功していたじゃないか!!

会社近くの宝くじ売り場で、「ロト6」と「ナンバーズ4」を1万円分買っ
てみた。

当たりとは程遠かった・・・。

努力をしないと、神様も近寄らなくなる。

とにかく「冬のボーナス」がでる12月までがんばるしかない・・・。

がんばるしか・・・。


<2001年7月現在>
 ・借入先:9件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ)
 ・借入金:360万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:242,000円



<2001年8月>

「UCカード」と「DCカード」は、支払いが遅れると遅れた日数分キャッシン
グができない。
例えば、7月5日の支払いを5日間遅れて支払うと、通常は7月10日にキャッ
シングできるはずが、5日間のペナルティーが発生し7月15日以降にならない
とお金を借りることができなくなる。
最近は返済が滞っていたために、キャッシングできる時期も遅れていた・・・。

そして、再びその時はやってきた。
「DCカード」のカードを某地方銀行のATMに入れた瞬間、「プシュー」とい
う音とともに消えていったのだ。
画面には、

『このカードはこちらで預からせていただきます』

の文字。
この言葉を見た瞬間、「前にも同じ事があったなあ~」と少し懐かしくなった。
以前は混乱して備えつけの電話から苦情を言ったが、今ではその理由がはっきり
と分かる。「お前の借金が多過ぎるのだ!!」
            ※第22号を参照(「JCBのカードが消えた」篇)

が、「これでお金を借りられないや。ま~、しょうがない」と、【借金ができな
い】ことで少しほっとする自分もいた。

犯罪を犯して逃走している犯人が警察に捕まった時、
「捕まえてくれてありがとう。ほっとした」と言う気持ちとどこか似ている。
誰かが強制的に止めないと、どんどんエスカレートしていくのだ。
それは自分でも止められない。

ただ、「DCカード」で借りた5万円で返済しようとした計画が崩れたことは事実
で、なにか別の金策を講じないといけない。

「借金しかないよな・・・」

結局、今の自分はお金を借りるしかないのだ。

延滞はしているのだが、督促の連絡がまだこなかったので、【信販系】に申し込み
をしてみた。(銀行や店の角に空いてある申し込みの封筒で)

1週間で申し込んだ【信販系】は、

・日本信販
・OMC
・イオン
・ライフ
・シティバンク
・ジャックス
・GCカード
・アメリカン・エキスプレス
・クオーク
・JCB(これは2度目の挑戦)

の全部で10社。
これだけ申し込むと書くのに慣れてしまい、最後の数社は5分もかからずに申込書
に記入することができた。

「こんなことに慣れるなんて情けない・・・」

そして結果は・・・、【完敗】。いや、【惨敗】。
家に届く封筒は明らかに薄く、中には「今回はご期待に沿うことができません」と
いう簡単な文字で書かれた紙が1枚だけはいっていた。

だが同時に申し込んでいた「UCカード」の「キャッシングのリボ払い」枠の審査
がなぜか(?)通り、新しく『10万円』のキャッシング枠が付いた。

でも、私にとって「10万円」は大金ではなく、次の日には返済で全てなくなった。

もう【信販系】はだめなのかな・・・。
お金は貸してくれないのかな・・・。

やばいよな。
今月はなんとか「10万円」を借りることができたけど、来月はどうしよう?
どうしよう・・・。

「また別のところで新規のカードを作ればなんとかなる?
 まだ消費者金融はたくさんあるよね。大丈夫。きっと大丈夫・・・」

楽観的な考えだが、「DCカード」が無くなったことはかなりの重荷だということ
にまだ気づいていなかった。

4年前の1997年7月では【45万円】の借金だったのが、わずか4年間で8倍
にまで膨らんでしまった。

もう戻れない。
まったく見えていなかった【最悪のゴール】が、少しずつ近づいてきたようだ。


<2001年8月現在>
 ・借入先:9件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ)
 ・借入金:370万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:252,000円



<2001年9月>

ついに携帯電話を解約することにした。
理由は簡単で、電話代が払えないから・・・。

もちろん会社からは「連絡がとれなくなる」と不満を言われたが、私にとっては
それどころではない。
電話代の1万円があれば、20日分の食費になるのだから。

だが、携帯電話を解約したことで予想外の反応が出た。
それは、『督促の電話が全て会社にかかってくるようになった』こと。
今まではほとんどの場合携帯にかかってきていたのだが、解約してからはほぼ
全てが会社にかかってきた。
(おそらく1度は家に電話をしていると思う)

月に何度も督促の電話がかかってきたら会社の上司も怪しむ。
最初の内はなんとかごまかしてきたのだが、最近は開き直って、

私:「わかりました。今月中にはお支払いします」

と、会社にかかってきた督促の電話に普通に答えるようになった。
精神状態が少しおかしくなってきていたのかもしれない。

「最悪の場合、会社を辞めればいいんだから・・・」


今月、ついに「モビット」からの借入がストップした。
これで「アイフル」「オリックス」「DCカード」に続いて4社目・・・。
もう反論の余地もない。

ふと、癌(ガン)の末期症状と似ている、と感じた。
今まで順調に動いていた体の臓器が、ひとつふたつと活動を停止していく。
そして、最後に心臓が止まったとき、人は死ぬ。

わたしの場合、「アイフル」「オリックス」「DCカード」「モビット」の活動
が終わりを告げた。

「まだ生きている」
「まだ大丈夫だ・・・」

でも、借りている9社の内4社が新たな貸し付けを停止したということは・・・。
給料で払えない分は全て借りなければならないのに、どこも貸してくれなくなった
ら・・・、どうなる?

 <生きていくために必要な『血』がなければ人は死ぬ>

 <生きていくために必要な『金』がなければ人は死ぬ>

おれも死ぬのか?
死にたくない・・・。

「キャスコ」からはまだ10万円ほど借りることができたので、それで今月はなん
とか返済することができた。

だが、これで「キャスコ」も限度額いっぱい借りてしまった・・・。

最近は、今月の返済が終る頃に次の返済のことを考えないといけない。

毎日、毎日考えることは返済のことばかり。
仕事に全く集中できない。

冬のボーナスまで、あと3ヶ月。
なんとかがんばるしかない・・・。

だが、9月のある日、「UCカード」が利用不可能になっていることに気がついた。
これで「信販系」は全て終了。

9社の内、5社が活動(新たな貸し出し)を停止した。

私の余命も長くない。


<2001年9月現在>
 ・借入先:9件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ)
 ・借入金:382万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:264,000円
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Author:takechan69
会社員です。
消費者金融から300万の借入れがあり返済中です。

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